スターピープル?早すぎた宮沢賢治さんのホロスコープ


乙女座生まれの宮沢賢治さん。


「イーハトーヴ」など独特な世界観で知られ、彼の児童文学作品や詩は、現代でも日本人に広く親しまれています。


宇宙や銀河にまつわる作品も印象的な、宮沢賢治さんのホロスコープを見ていきましょう。



宮沢賢治(1896年(明治29年)8月27日 - 1933年(昭和8年)9月21日)。


代表作『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『セロ弾きのゴーシュ』『やまなし』『注文の多い料理店』など多数。


また、農学や宗教学、思想家としての一面も知られる。


生前に作品を世間に知られることはほとんどなかったが、死後に評価され、やがて時代を超えて広く国民に愛され、教科書などにも作品が掲載される。


【4エレメント】 

 《天体数》 火:2 地:3 風:3 水:2

 《スコア》 火:5 地:14 風:4 水:4 


 【3モダリティ】

 《天体数》 活:1 不:3 柔:6

 《スコア》 活:3 不:6 柔:18


【天体のサイン】

☉乙女座♍ ☽牡羊座♈ ☿乙女座♍ ♀乙女座♍ ♂双子座♊ 

♃獅子座♌ ♄蠍座♏ ♅蠍座♏ ♆双子座♊ ♇双子座♊


【アングル】

ASC乙女座♍ MC双子座♊ IC射手座♐ DC魚座♓




ザ・乙女座♍!な宮沢賢治さん


エレメントは天体数で見るとそこまで偏りはないですが、スコアで見るとかなりが大きくなっています。


また、行動様式を表すモダリティの方はさらに顕著に柔軟に偏っています。


太陽・水星・金星が乙女座なので、十分乙女座要素が強いのですが、加えてアセンダントも乙女座というのが、かなり大きいですね。


おもしろいなと思ったのが、ASC→DCラインが柔軟宮だけでなく、IC→MCラインも柔軟宮なので、アングルすべてが柔軟サインというのも、興味深いなと思いました。


(人によっては、不動×柔軟などのように2種類になる人もいます。)


火星も柔軟宮の双子座ですね。興味関心が多岐にわたり、常に色々な情報を集めたり、読書好き、多趣味ですよね。


先日リーディングをしたC・G・ユングさんの世代は、宮沢賢治さんより約20年早く、海王星と冥王星が牡牛座でしたが、宮沢賢治さんの世代は海王星と冥王星が双子座になります。



宮沢賢治さんと言えば、自然や「農」にねざした暮らしや倫理観が有名ですが、農林学校(現在の農学部)を首席で入学し、地質土壌分析や鉱物研究をされ、卒業後も研究生として残っておられます。


また、子どもの頃から鉱物収集や昆虫採集に夢中だったそうで、11歳の頃には「石こ賢さん」と呼ばれるほど。


このあたり、まさに分析力と理系な知的さの乙女座♍!


自然や鉱石というのも、地のサイン乙女座っぽいなと思います。


(乙女座の理系感については、前回の一青窈さんの記事にて。)



宮沢賢治さんの作品には、さまざまな鉱物の名前が出てきます。


 「上の野原の入り口にモリブデンという鉱石ができるので、それをだんだん掘るようにするためだそうです。」 
「モリブデン何にするべな。」 
「それは鉄とまぜたり、薬をつくったりするのだそうです。」

(『風の又三郎』より)


「うん、探してやらう。蛋白石のいゝのなら、流紋玻璃を探せばいゝ。探してやらう。
「はっはっは、ジッコさんといふのは磁鉄鉱だね、もうわかったさ、喧嘩の相手はバイオタイトだ。して見るとなんでもこの辺にさっきの花崗岩のかけらがあるね、そいつの中の鉱物がかやかや物を云ってるんだね。」

(楢ノ木大学士の野宿より)


子どもの頃から鉱物に興味があったというのもすごいのですが、農林学校でも専門的に収集・研究されていますし、作品に出てくる鉱物もマニアックで専門的なものも多く、きちんとした自然科学の知識と経験に裏付けされているのが分かります。


宮沢賢治さんは草野心平さん(のちに宮沢賢治作品を世に広めた中心人物)に以下のように語っていたそうです。


「私は詩人としては自信がありませんけど、一個のサイエンティストとしては認めていただきたいと思います」


すごいですよね。詩人としては自信がないというのは謙遜されていると思いますが、科学者としての自覚と誇りをずっと持ち続けておられたのですね。


科学と文学・・・ともすると、真逆の分野にも思えるこの二つを融合させ、唯一無二の美しい幻想的な世界観を作り出した宮沢賢治さん。


これはまさに柔軟宮の調整する力。

つまり、境界を感じさせずに、ふたつのものの間に入り柔軟に動く力、柔らかく変化し対応する力、そういった才能が生かされているのではないでしょうか。



見逃せない月☽牡羊座♈の情熱と強い意志


宮沢賢治さんの作品は幻想的でどこか儚い世界観があり、ご本人の印象も乙女座らしい繊細さが感じられるのですが、実はとても強い意志と熱い情熱を持っておられます。


これは月・牡羊座(火サイン)が効いているのではないかな、と感じます。


前回の一青窈さんの記事で触れるのを忘れてしまったのですが、一青窈さんも月が獅子座で火のサイン。


このお二方は、月をより高い次元で使われていて、社会の中で月の力を生かされているのではないかと思います。


また、火のサインというのは情熱だけでなくインスピレーションの力でもあります。


お二方のようにアーティストや創作活動をされる方には、火のサインというのはひとつキーポイントになるのかもしれません。


特に、月が火のサインの場合、内側から自然にインスピレーションや熱い感情が次々と沸き起こる。


ナチュラルボーン表現者、という感じがします。


月が牡羊座の宮沢賢治さんの場合は、自分の情熱のままに突き進む熱い部分を感じます。


ただ、その真っすぐな情熱がややもすると行き過ぎて、時代をも超えてしまい、当時の閉鎖的な時代の価値観の中では、周囲から浮いてしまった部分もあるのかと思います。


宮沢賢治さんがいかに時代を超越していたかをさらに見ていきます。



12ハウスがとても強くてスピリチュアルな水星人


ハウスやアングルを見ていくと、これまたとても特徴的な宮沢賢治さんです。


まず、12ハウスがすごい!という印象。


個人天体の太陽・水星・金星が乙女座♍の12ハウスです。


さらに、水星はアセンダントと合=ライジングスター。乙女座ルーラーですし、とても優勢で強い水星です。


12ハウスは隠された部屋、スピリチュアルと言われますが、要するに集合的無意識の世界なのですね。


12ハウスでは個人・私というものを飛び越えて、人類や地球そして宇宙の意識の世界になります。


その12ハウスに個人天体が3天体入っているというのは、ある種の非日常感が常にあったり、個人の意思や価値観というものより、もっと大きな存在を優先する傾向があります。


また、隠されたというところでは、一人で過ごす場所とか時間、また一人でする仕事や作業なんかも象徴されます。


このような12ハウスの特徴を「生きづらさ」「扱いづらさ」と取るか?それとも「特別な才能」と取るかは、時代や環境によっても、かなり変わってくるかもしれません。


いっそ「目に見えない世界」や「人類の平和」「宇宙とつながる」などのテーマを人生の目標として設定し、そのために人生を捧げると言うような、そういう生き方もありだと思います。



宮沢賢治さんの作品は実際、とてもスピリチュアルですよね。



上記の記事でも書いたように、作品の内容が西洋占星術と不思議とリンクしていたり。

Wikipediaによると宮沢賢治さんは、星座にもかなり関心が高かったそうです。

西洋占星術の知識までお持ちだったかは分からないのですが、鉱物と同じように星座の知識もかなり精通しておられたのではないでしょうか。


を中心とした暮らしを提唱していたり、菜食主義者であったことなども、現代であれば「自然派」「ナチュラリスト」などの呼び名がありますが、当時としてはとても珍しい価値観だったのではないかな、と思います。



宮沢賢治さんのICから見ると銀河系の中心にルーツが?!



もう一度、宮沢賢治さんのホロスコープを見てください。


ICとコンジャンクションしている射手座25度「Gala」の文字が見えると思います。


このGalaは何かというと、galactic center つまり「銀河系(天の川銀河)の中心」になります。


先日、射手座A*(エースター)の画像が撮影されて話題になりましたが、



私たちの住む銀河系(天の川銀河)の中心には巨大なブラックホールがあります。

その方角は射手座(天文学的にも)の方角で、実は占星術界でもホロスコープ上に計算で出せるようになってます。


宮沢賢治さんのICは、この銀河系の中心と合です。


これを見た時、「ああ、やっぱりこの人は宇宙から来られたのだな」と、感動してしまいました。


IC(イムムコエリ、イムンコエリ)は、ホロスコープチャートの中で天の底にあたり、自己の意識の最も奥深い部分、その人のルーツや家系、また家族や故郷などプライベートに関わるアングルです。


また、宇宙からこの地上の肉体に魂が入ってくるときの入り口を表してもいます。自分でも気付いていない自分(深層心理・潜在意識・本能)であり、宇宙とのつながりを最も感じられる場所でもあります。


宮沢賢治さんのルーツが銀河系の中心にあるというのは、もはや太陽系を飛びぬけている感があります。目線も銀河目線に感じられますし、時間や時代というものを超えているのも分かる気がします。

地球という枠に収まらず、未来よりも先を行っている感覚ですね。


そして、銀河系という大きな目線で見るからこそ、地球という奇跡の惑星の尊さがお分かりになるのでしょうし、地球人よりも深く地球を愛されていたのかもしれません。


当サイトのProfile欄でも引用させていただいていますが、宮沢賢治さんが未完成のまま遺された学生さんたちへ向けた寄稿文があります。


その内容が、明治時代の人が書いたとは思えないほど、今の時代の私たちにも心に刺さるものがあります。


(少し長いので、全文は以下のサイト様をご参照ください。)

https://ihatov.cc/haru_3/383_d.htm


宙宇は絶えずわれらによって変化する
誰が誰よりどうだとか 誰の仕事がどうしたとか そんなことを言ってゐるひまがあるか 

新たな詩人よ 雲から光から嵐から 透明なエネルギーを得て 人と地球によるべき形を暗示せよ
新しい時代のコペルニクスよ 余りに重苦しい重力の法則から この銀河系を解き放て

新しい時代のダーヴヰンよ 更に東洋風静観のキャレンヂャーに載って 
銀河系空間の外にも至り 透明に深く正しい地史と増訂された生物学をわれらに示せ 

潮や風 あらゆる自然の力を用ひ尽くして 諸君は新たな自然を形成するのに努めねばならぬ 

ああ諸君はいま この颯爽たる諸君の未来圏から吹いて来る 透明な風を感じないのか

(宮沢賢治『生徒諸君に寄せる』より抜粋)


まず感じるのは、その熱量ですよね。地球の未来を担う若い世代への熱い希望と期待です。

この辺りにも、月・牡羊座♈が効いていると感じます。


自然や宇宙をただ保護するべきもの、そのまま守るべきもの、という視点ではなく、人間がそこに積極的に関わり、透明で深く冷静に分析し、新しい「自然」を私たち人間が作っていかなくてはいけない。そして、それが君たちにはできるはずだ、と力強く言っています。


さらには、銀河系の外まで至り、銀河系を解き放て!とまで言っているのがすごいと思います。


宮沢賢治さんって、やっぱりスターピープル(スターシード)だったのではないでしょうか。


ただ、本当に生まれてくるのが早すぎたと思います。せめて80年ほど遅ければ、もっと生きやすかったのかもしれませんね。

もちろん、それだけで宮沢賢治さんが不幸であった、と言ってしまうことはできませんが。



MCカルミネート海王星は人類に夢を与える人


宮沢賢治さんは、9ハウス(思想・宗教・学問・海外)も強調されています。


9ハウスの火星は、宗教や思想・哲学への熱狂。信念が強く、日常生活でも高い理想を掲げて生きる。自分と異なる思想の人とは、相容れない傾向もある。


このあたり、たしかに宮沢賢治さんもそのような傾向があったかもしれませんね。


さらにハウスカスプが牡牛座ですから、哲学や思想に関しては、頑固な面もあったと思います。


9ハウスの海王星は、とても神秘主義的な印象が強いですね。


直観力や第3の目、未来を見通す力が強い。想像力が豊かで、アーティストや文学的な才能など。また、松村潔さんによると「前衛的な科学思想」とも関わりがある。


まさに、ですよね。


MC(ミッドヘブン)は、社会の中における役割・キャリア・人生の方向性・到達点。その天頂に一番近いカルミネート天体が9ハウスの海王星


時代や価値観の枠を超えた幻想的な作品で、人々に夢を与える人そのものですよね。


ここに冥王星も加わっていますので。


冥王星は破壊と再生、無から何かを作り出すエネルギー。極限まで極めるか、はたまた無か。


その冥王星が9ハウスだと、世界の原理や宇宙の根源など、神秘思想が極限まで達します。


これはもう、銀河系を解き放ちたくもなると思います。


まるで、宮沢賢治さんのホロスコープから占星術の解釈が作られたのではないかと思うほど、ぴったりと当てはまっているので、やや怖いくらいです・・・。



宮沢賢治さんはとても宇宙的で深い


とても長い文章になってしまいました。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!!


宮沢賢治さんの思想や哲学はとても深くて、作品まで読み込もうと思うと、年単位で時間がかかりそうです。


それだけ、宮沢賢治さんは研究対象としておもしろいと思います。


宮沢賢治さんに限らず、ひとりの人のホロスコープには、本当にたくさんの無限ともいえる情報が詰まっています。


それは、宇宙からのメッセージだからだと思います。


私たちは、宇宙からたくさんのメッセージを受け取って、この地球に生まれてきたのですね。


あらためて、占星術っておもしろい!と、感じました。


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