インボルク　～魔女の立春のお祝い～

日本では立春の前日に「節分」をしますが、魔女たちもこの時期にインボルク（Imbolc）と呼ばれるお祭りをします（2/1〜2）。

魔女たちの節分はどんなお祝いをするのでしょう。

この記事では、インボルクのいわれや楽しみ方、祭壇の飾りやおすすめハーブなどをまとめていきます。

さぁ、ベイビーウィッチのみなさんもいっしょに春を探しましょう。

ケルトの女神ブリギットの祝祭日

インボルクは古代アイルランドのケルト民族の伝統的なお祭りで、ブリギット（Brigit）と呼ばれる女神のお祝いです。

（画像はPinterestより）

ブリギットは古代からケルト民族に崇拝されており、三位一体（乙女・母・老婆）、聖なる炎と癒しの泉を司る女神です。

そのため鍛冶（ものづくり）、食と健康、治療と浄化、そして詩の女神です。

また「生と死と再生」のサイクルに関わるとされています。

優しさと力強さ、奥深さを兼ね備えており、人々からとても愛されている女神です。

（画像はPinterestより）

インボルクにはブリギットクロスと呼ばれる十字架を藁で作り、祭壇に飾ってブリジットが降りてくる場所を作ってあげます。

インボルクのシンボルや祝い方

インボルクのシンボルはいくつかあります。

☆火と水

ブリギットは、火と水の女神です。

インボルクは魔女たちにとって火の祭りでもあります。

祭壇には火（キャンドル）と水（雪があれば雪もいい）を飾りましょう。

天気が良ければ、外で焚火をしたり、雪解け水の流れる小川に出かけるのもいいですね。

☆子羊と子牛

春の兆しとして、この時期になると子羊や子牛たちが生まれます。

インボルクは最初に生まれた子羊たちのお祝いの日でもありました。

生命の誕生に、春の希望と輝きを見出します。

出産と授乳で忙しくなった羊や牛の母親たちを、魔女たちはサポートします。

多産と豊かな恵みのシンボル。

祭壇に羊の人形を飾っても良いでしょう。

☆ミルクやチーズ、バターなどの乳製品

牛の乳で育ったと言われる女神ブリギット。

ブリギットへの供え物とし、自分たちも自然の恵みに感謝し、いただきましょう。

チーズ、バター、クリーム、ミルクを使った飲み物やグラタンなどの料理。

（ちなみにミルクを使った白いシチューは日本人が考えた料理だそう。インボルクにピッタリ。）

寒い冬を乗り越えるための栄養源でもあり、精神安定など癒しの効果もあります。

☆早春の花、白い花

ブリギットはお花が大好きです。

クロッカス、スノードロップ、スミレなど早春の花々や白い可憐な花々を楽しみましょう。

家の中や祭壇に飾ったり、外へ出て探しに行くのも良いですね。

雪の中で健気に蕾を開く花々を見つけると嬉しくなりますね。

冬の間に見えないところで力を蓄え、春にエネルギーを一気に解放する。

その可憐さと力強さに、魔女たちも学ぶことがありそうです。

☆掃除と浄化

この時期はデトックス、リリース、浄化、掃除にもってこいの時期です。

春になりたくさんの新しいことやものを取り入れることができるように、体と心そして住環境の浄化に努めましょう。

日本でも年末に新春を迎えるために大掃除をしますが、とても似た風習ですね。

☆占いの練習をする

浄化が終わったら、澄んだ空気の中で魔女のプラクティスをしましょう。

空っぽの頭と心で、精神も冴えわたります。

女神ブリギットの「三位一体」とは、頭・体・心という意味もあるのかもしれません。

頭・体・心を統合してこそ、自分本来の魂を生き、真の魔法が使えるようになります。

☆インボルクにおすすめのハーブ

インボルクにおすすめのハーブをご紹介します。

ブリギットは食と健康の女神でもあります。

元気の源は、おいしい食事から。お好きなお料理やお菓子を楽しみながら、ハーブのエネルギーをチャージしましょう。

・ブラックベリー

ブラックベリーはブリギットの大好物です。聖なる木の実。

アントシアニンなどのポリフェノールを含み、抗酸化作用も高く、美容と健康にうってつけです。

ブラックベリーのチーズケーキ、クランブルケーキにクリームを添えていただいたり、ジャムやシロップを利用するのもいいですね。

・ベイリーフ（月桂樹・ローレル）

月桂樹は魔除けの聖なる木として知られます。

抗菌・抗酸化作用が高く、お腹の調子も整えてくれるので、デトックスにピッタリです。

シチューやスープに香りづけとして加えたり、ピクルスなどの保存料理にも。

・ジンジャー（しょうが）

言わずと知れた万能のスパイスです。

ホットミルクティーにジンジャーとシナモンを加えて、身も心も温まるスパイスティー。

・カモミール

白い可憐な花は、りんごのような甘く爽やかな香りがします。

鎮静作用があり、安眠のハーブとして知られます。

カモミールティーはそのままでも美味しいですが、ホットミルクとハチミツを加えると、やさしい甘さに安眠効果が高まります。

・アンジェリカ

悪魔を除けるとされる聖なるハーブ。

白い花火のような花を咲かせますが、ハーブとしては茎と根を乾燥させたものを使います。

効能は万能で、咳予防や痙攣を抑えたり、デトックス、体を温める、女性ホルモンを促すため女性に嬉しいハーブです。

ハーブティーとしていただきますが、苦いので他のハーブとブレンドした方が良さそうです。

魔女の節分を楽しもう

いかがでしたでしょうか。

ケルトの人々が春を迎えるためにしていた知恵は、私たち日本人の風習にも通じる部分がありそうです。

旧暦では、ちょうどこの時期が年末年始にあたります。

大掃除が十分でなかったという人は、この時期に取り組むチャンスかもしれません。

おうちがきれいになったら、春を探しに出かけてみるのもいいですね。

早春の澄み切った空気を胸いっぱいに吸い込めば、身も心もスッキリ浄化されそうです。

今年はいつもの節分に、ちょこっとインボルクのエッセンスを取り入れてみるのも楽しいですね。