太陽は双子なのかもしれない -幻のネメシスの存在-
太陽に幻の双子の妹がいるかもしれない、と聞いたら、みなさんはどう思いますか?
太陽の双子「ネメシス」
この説は、全卓樹『銀河の片隅で科学夜話』という本で知りました。
この本、装幀や挿絵がとても素敵なだけでなく、難しい科学のトピックについて、分かりやすく、時に詩的で幻想的な文章で教えてくれます。
この本の中に紹介されていた衝撃の説。
太陽には、幻の「ネメシス」という伴星が存在するかもしれないというのです。
(※小惑星帯、アステロイドベルトに位置する小惑星ネメシスとは同じ名前が付けられていますが、まったく別の話になります。)
私たちの住む太陽系には、ふたつの太陽があるかもしれないなんて、今までまったく想像もしなかったことです。
ふたつの太陽というのは、つまりふたつの恒星という意味です。
調べてみると、恒星は「連星」であることが珍しくありません。
有名なところだと、おおいぬ座のシリウスやおうし座のアルデバラン、おとめ座のスピカなど。
このサイトでも何度かふれているオリオン座のミンタカや、古典占星術では悪魔の星とされているペルセウス座のアルゴルは、複雑な多重連星(5〜7個)です。
そう考えてみると、たしかに太陽系にも2つないしはそれ以上の恒星があったとしてもおかしくはないのかもしれません。
(↑ミンタカに関する過去記事)
なぜ「ネメシス」は発見されないのか?
しかし、この太陽系にふたつも恒星があるのなら、今までに発見されていないなんて、おかしいと思いませんか?
ネメシスがもし存在する場合、太陽の隣りに並んで輝いているというような目立つ存在ではなさそうです。
太陽系外縁天体のさらにはるか外側のオールトの雲と呼ばれる場所を楕円形に軌道を描いて周回していると考えられます。
さらに、とても小さくて温度の低い恒星(赤色矮星)か恒星になりきれない亜恒星(褐色矮星)であると思われるので、見つけるのは至難の業になります。
私たちの住む天の川銀河には、このような赤色矮星や褐色矮星がたくさん存在するからです。
小惑星セドナの軌道と「ネメシス」
太陽から遠く離れて、楕円形の軌道を描き周回している星といえば、太陽系外縁天体である小惑星のセドナを思い出す方も多いかもしれません。
(出典:Wikipediaより)
実は、ネメシスの存在とも関わってくるのが、このセドナになります。
セドナの超楕円形の軌道を説明する上で、プラネットナインの存在の可能性が考えられますが、太陽に幻の伴星ネメシスが存在するとすれば、セドナの軌道にも影響を及ぼしていると考えられます。
太陽から遠く遠く離れた暗く冷たい宇宙を旅する二人の女神。
ネメシスとセドナ。
ネメシスはギリシャ神話の義憤の女神。夜であるニュクスの娘のひとり。
有翼の姿で描かれることが多いです。
(出典:Wikipediaより)
人間が神に無礼を働いたときには、容赦なく罰を与える。
ネメシスもセドナも、遠い宇宙の彼方から私たちのことを見守っていて、もし人間が大切なことを忘れてしまったときには、神に代わり罰を下す存在なのかもしれません。
奇しくも、今年の夏至の頃からセドナが西洋占星術でいうところの双子座入りを果たしました。
もしも、セドナ双子座の時代に、太陽が双子であることが証明され、遠い忘却の彼方からネメシスという女神の存在が明るみに出ることがあるとすれば、これほど浪漫なことはないですね。
占星術の基準も根底からひっくり返りそうです。
想像するだけでもワクワクしてしまいますが、これは決して可能性がゼロではない話なのがすごいところですね。
(↑小惑星セドナに関する過去記事)
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